『マッテイのうそとほんとの物語』
  ザラー・ナオウラ作 森川弘子訳(岩波書店)
  第61回産経児童出版文化賞の翻訳賞を受賞

 森川弘子さんは、ドイツの児童文学ークリュス、プルードラ、
 シュタインヘーフェル、プレスラーなどの作品を
 数多く翻訳されています。
 (「リーコ」は以前このピックアップ欄で紹介しました)
 どの作品も本文だけでなく、あとがきや解説もとてもいいのです。
 ぜひ、お読みください!

  ぜひぜひブルで買ってお読みください♪

  『笑いを売った少年』  ジェイムス・クリュス 未知谷
  『ロブスター岩礁の燈台』    〃       〃
  『ズンデヴィト岬へ』  ベンノー・プルードラ   〃
  『シェリフ・テデイ』      〃       〃
  『ちびポップの決断』      〃       〃
  『グステルとタップと仲間たち』 〃       〃
  『リーコとオスカーともっと深い影』  
  『リーコとオスカーとつぶれそうな心臓たち』
  『リーコとオスカーと幸せなどろぼう石』
     アンドレアス・シュタインヘーフェル   岩波書店
  『賢者ナータンと子どもたち』ミリアム・プレスラー 〃

『イヌ カウ コドモ』 
    
            金森美智子文 スギヤマカナヨ絵 童話屋  1260円

   「きみの いえに こいぬが きたのか
        よかったね
    きっと いい ともだちに なれるよ」
 と始まるこの絵本は、ただの犬の飼い方ハウツー本ではありません。
 犬を飼えるくらいの年令の子どもに、犬の飼い方・犬との暮らし方を
 とても分かりやすく教えてくれますが、そこには
 人として生きていく基本が語られているように思えます。
 著者の金森さんは、米国で犬の基礎訓練法を学び、
 1992年、犬の飼い主にしつけ方を教えるレッスンと
 問題行動カウンセリングを開始。巻末のイヌカウカゾクも必読。
「これから飼おうと思っている方は、犬を幸せにできるかを慎重に考え、
 家族でよく話し合ってください。



   『いつか帰りたい ぼくのふるさと
     福島第一原発20キロ圏内から来たねこ』
 
      写真・文 大塚敦子   小学館        1575円

   「ぼくの名前はキテイ。
   福島県双葉郡の大熊町というところで生まれました。
   ぼくは7人の家族にかわいがられ
   しあわせいっぱいにくらしていました。」
キテイの家から4キロほどのところに東京電力福島第一原発があり、
約11キロのところに福島第二原発もあります。
2011年3月11日の巨大地震と津波で福島第一原発は大事故を起こしました。
この地に住む人々は着の身着のままで避難しました。
キテイの家族もキテイの食べ物をお椀山盛りに入れて避難しました。
すぐに帰れると思って。
犬、猫、牛、馬、ブタなどの取り残された動物たちの命を助けようと
ボランティアが全国各地から駆けつけました。
そして、必死でさまよい生きのびていたキテイは助けられたのです。
 「キテイ、おいてってごめんな。
  あんときは、2・3日で帰れると思ってたんだよ。
  もう死んじまったかと思ってだ。よく生きでたなあ・・」
 おばあさんは、ぼくをなでて、なみだを流しながら、いいました。
キテイをしあわせにできていた家族は、
幸せな暮らしをを失い、取り戻せていない。
原発事故がなければ、ぼくはいまも、みんなといっしょに大熊町で
くらしていた。
きっといまも、田畑をのびのびかけまわっていた。
畑仕事をするおばあさんのそばで。
どうして、ぼくたちは ふるさとを失わなければならなかったんだろう?
ぼくは いつか ふるさとに帰れるんだろうか?
  
   
 
     

うれしいさんかなしいさん 

まつおかきょうこ作・絵  東京子ども図書館 ¥1050
      
 まえから よんで
      うしろから よんで
      まんなかで であうおはなし
  まず左開きで うれしいさん。
   いいお天気でうれしくなり、頭をぶっつけてかなしくなり
   いたいのいたいのとんでいけーでうれしくなり、
   かなしくなったり、うれしくなったりしながら
   もらったパンを「おともだちと一緒に食べよう」と
   公園に走っていきます。
  そして右開きから かなしいさん。
   雨降りでかなしくなり、本が届いてうれしくなり
   悲しい話でかなしくなり、ハッピーエンドでうれしくなり
   かなしくなったり、うれしくなったりしながら
   「本をおともだちにみせてあげよう」と
   公園に走っていきます。
  「おーい、ぱんだぞー!」「おーい、ほんだぞー!」
  真ん中のページを観音開きしてみると
  「こうえんには うれしいさんが いっぱい!」でした。

 身体の糧のパンと、心の糧の本。それらを分かち合う喜び。
 こんなにシンプルで、子どもの心に添う愉快なお話に
 人生の妙味が在りました。

  ある日、5才の女の子とお父さんが、なかなか読みたい本が
 決められずにいらしたので、この本をおすすめしました。
 親子はぴったりくっついて品定め。
 お父さんとお嬢ちゃんはアハハと大笑い。「ぜったい、これ!」と
 お買い上げ。お客さんも店主もうれしいさんになりました。 

 
 

電気は誰がつくるのか 
    ー再生可能エネルギーの現場

    
         山本航著  機関紙連合通信社刊   

〈再生エネ発電の可能性については、ある有識者が「十分にある」と
話すと、別の専門家は「それは無理だ」と言う。
本当のところが分からないので、現場をこの目で見て、
そこで取り組んでいる人に確かめようと思った〉
と ”はじめに”にある。
著者は記者魂を持って
 1.再生可能エネルギーの普及に取り組む現場を取材し
 2.普及を支えようとする動きを伝え
 3.避けて通れない「今後の原発をどうするのか」を考える。 
そして、「超高圧な電気を遠くの発電所から送るのではなく
地元の人のために近くで一緒になって電気をつくっていくべきだ」
という東電OBの発言を ”おわりに”で紹介する。
再生エネルギーの普及には様々な課題を乗り越えなければ
ならないが、普及が進めば
〈「大きな力に脅されたり、見えない恐怖にくるしめられるような
社会は変えられる」という期待を得た〉と書く。

人の命を守るための経済とか電気とかなのだ!と
本当にそう思います。
また少し元気が出ました。

 

 『あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ』

   メイ・ゲアリック
 レナード・ワイズガード
    岡部うた子訳   金の星社刊 1974年

  何色と表現したらよいでしょう。
  少し黄色味を加えたかの群青色の濃淡が
  雨に煙る動植物を美しく描き出す。
  猫の目やバッタの羽、水仙の花芯など
  ところどころに差される澄んだ黄色がとても映えます。
  日本の上品な夏の着物を想わせる色使いです。
   あめ、あめ、あめ、あめ
   あめがふるとき、ちょうちょうは、どこへいくのかしら
  
と詩を口ずさむように、雨の日のいろいろな生きものに
  思いをはせます。
  自然の風物をいとおしみ、心静かになる一冊です。
                        


えほんてなブル

1984年、広島ではじめてオープンした児童書専門店です。
小さな店ですが絵本から読み物まで定番をきちんとそろえています。

住所:広島市中区中町1−26
ヴェル袋町公園2F
TEL&FAX:(082)247-8920

定休日:月曜日
営業時間:11:00〜18:00
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