『 ねずみのウーくん 』

    
いぬと ねこと ねずみと くつやさんの おはなし

    マリー・ホール・エッツ  たなべいすず訳 

                             初版1983 年(1951) 冨山房 ¥1470


    帰ってきたのは今年の4月。
   やれうれしや、やっとやっとの重版だと いそいそ写真も撮っていたのに
   光陰矢のごとし あっという間に半年も過ぎてしまってのご紹介です。
   
    ねずみのアンソニー・ウーくんは 靴屋のおじさんの家の床下に住んでいます。
   猫のミーオラと犬のロディゴも住人で、この2匹がいつもかつも大騒ぎはするものの
   それなりにみんなのんきに暮らしていました。

    おじさんにはドーラというお節介な姉さんがいて、弟が落ち着いて仕事に精を出し
   店が繁盛するように私が私がと、おじさんの家に乗り込んで来ました。
   ミーオラとロディゴは外へ追い出されてしまいます。
    おばさんはポリーアンドリューという大声で喋りまくるオウムを飼っていましたし、
   大のねずみ嫌いでしたので、ウーくんも家族の一員と大事に思っているおじさんには
   気の休まらぬ毎日となってしまいました。

    さあ、この事態をどうするか。
   1人と3匹は力を合わせて穏やかな生活を取り戻せるでしょうか。

    ウーくんの健気な奮闘ぶり、ドタバタ喜劇にアハハと大笑いしながら
  
   「 なかよく へいわに くらしているので
      わたしのくつを なおすときに
     わたしのこころも なおしてくれた
       くつなおしのおじさんへ 」     という言葉に大きくうなづきます。

    エッツの作品はどれもあたたかいユーモアにあふれています。


 

   『 つばさの贈り物 
             ー 本を通して家族と共に分かち合ったよろこびのかずかずー』

        アニス・ダフ著   大江栄子/間崎ルリ子/渡邉淑子 訳


               京都修学社  ¥1890



      1944年、アメリカのヴァイキング社から出版され、以来60余年
     英米で子どもの本にかかわる人たちの必読書とされてきました。

      著者のアニス・ダフ氏は児童書の名編集者として活躍しましたが
     この本では、娘と息子をもつ一人の親として語っています。

      本を通して自然や芸術(音楽や絵画)を味わう。
     その喜びを子どもたちと分かち合う素晴らしさ、大事さが具体的に
     書かれています。

      内容は一個人の子育て報告にとどまることなく普遍的です。

      ダフ氏の素養の高さをわが身に照らして、気後れしそうになり
     ながらも読み進めば、合点し納得し‘子育ての喜びの大きさ‘に
     心が開かれていきます。

      「これは理想的過ぎ、ダフさんのようにできる親はなかなか
     いないわよ」と打っ遣らないで、自分にできること、わが家で
     したいことを、模索するのもまた楽し でしょう。

      小さい時から受験勉強に親子一丸となって取り組むエネルギー
     があるなら、それは‘想像力の翼‘の獲得のためにこそ
          使われるべきです。 


    [ 親の役割というものはいつの時代においても、人間性の中にある
     よきものにたいする信念を与えてやること ]−本文より 

     
       子育て真っ最中の方、子どもの側に居る方々に
      ぜひ読んで頂きたい一冊です。         
       

 
  
       アンドレアス・シュタインヘーフェル作  森川弘子訳

                                          岩波書店 ¥2310



     [ 深い才能にめぐまれたリーコと 高い才能にめぐまれたオスカー

      そして 個性あふれる隣人たちがおりなす ドキドキほろりの物語

           エーリヒ・ケストナー文学賞(作家賞)受賞   ]

                                     と 本の帯にあります。


      表紙を開いた外カバーには

     [ リーコは特別支援学校にか通う、 「深い才能にめぐまれた」男の子。
      
      ある日、親友のオスカーが、

      町中をさわがせている誘拐犯に連れ去られてしまった!

      オスカーを助けたい。

      学校までのまっすぐな道しか歩いたことのないリーコが、

      たったひとりで町に飛び出します。 ]


     

       とても期待して読んでみようかと思うでしょ。

      大丈夫!期待は裏切られません。

       リーコに出会えてよかった、

      気立てのいいリーコの話をもっと聞きたい と思えるでしょう。
       
      

     

    

                                      
     

   宮下すずか 作   みやざきひろかず 絵  偕成社  
                                               ¥1260



   「本と いうのは、ひらきっぱなしにしておくと、もじが よなかに おしゃべりしたり、
  とびだしたりするものです。」        

   
   
さあ、今夜は 文字たちが どんなおしゃべりをして
  どんな大騒動をしでかすのやら。

   よく練られた話は、愉快、軽快、爽快にとっとことっとこ展開します。

   文字たちが、内輪もめするわ、犬に食べられるわ、へのへのもへじごっこするわの 
  おかしな話ですが、語り口はバタバタしていなくて落ち着きがあります。

   挿絵もよく合っていて、楽しさが増します。

   ああ、なんと あいくるしい文字たちよ!

   この話を読めばきっと、子どもたちも、言葉や文字を友だちみたいに思えて
  一緒に遊びたくなるでしょう。 

   
   ☆ 第19回 椋鳩十児童文学賞受賞  おめでとう!


  

  『根っこのこどもたち 目をさます』

    ジビレ・フォン・オルファース絵  ヘレン・ディーン・フィッシュ文
    石井桃子訳     童話館出版  2003(1930ドイツ)

       春がゆっくり近づいてくると、お日さまは日に日に
                     あたたかく 風はやわらかくなり
                     空の色はいよいよ青くなっていきます。

           すると、地面の下では不思議なことがおこりはじめていました。

            それまでぐっすり眠っていた根っこのこどもたちを、土のおかあさんが
           起こして歩いていたのです。
           「さあ、おきなさい。春がきますよ。しごとを はじめなくてはいけません。」

       地上に春がやってきた時、根っこのこどもたちは地下から地面に
      坂をのぼってきて その途中で 花のこどもに変わるのです

                                                                                    (本文より)             


      手に手に自分の花を捧げもつ 花のこどもたちの なんと愛くるしいこと!

      うららかな 光のどけき春の日に 読みたい一冊です。


           オリジナルは、オルファース(1881〜1916)自身の文・絵で1906年に
          創作されています。
          オルファースは8人きょうだいの5番目で、子ども時代を自然の
          真っただ中で過ごしました。
          小学校の教師として、主に美術を教えながら創作を続けたのです。
                                           
(巻末資料より)




         
         


えほんてなブル

1984年、広島ではじめてオープンした児童書専門店です。
小さな店ですが絵本から読み物まで定番をきちんとそろえています。

住所:広島市中区中町1−26
ヴェル袋町公園2F
TEL&FAX:(082)247-8920

定休日:月曜日・第5日曜日
営業時間:11:00〜18:00
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